東日本大震災から10年目を迎えて(2020年3月11日)
2020年3月11日
避難者は当初の47万人から4.1万人に減少
2020年3月11日で、東日本大震災の発生から9年が経過しました。
復興庁によりますと、避難者は当初の47万人から4.1万人に減少しました。一方、同庁によりますと仮設住宅入居数は約6,000人まで減少しました。(2020年1月現在)
また、被災者のための恒久的な住まいとして整備が進められてきた災害公営住宅は、岩手、宮城、福島の3県で、計画戸数約3万戸が2020年度に全て完成見込みであります。
福島県の復興・再生として様々な施策を推進
さらにまた、福島県の復興・再生として、帰還困難区域を除くほとんどの地域で避難指示が解除されました。そのような状況下で下記施策が推進されております。
- 避難指示解除区域では、帰還に向けた生活環境の整備を推進
- 帰還困難区域では、「特定復興再生拠点」の整備を推進
- 官民合同チームによる自立支援、「福島イノベーション・コースト構想」の推進
- 環境再生に向けた取組を推進
- 「風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略」に基づき、風評被害対策の推進
震災から8年を経て福島県復興事業は完成
弊社が、震災後復旧工事に携わった永崎地区において、2019年3月2日に「永崎地区復旧・復興事業竣工式」、2019年3月16日には「豊間地区復旧・復興事業竣工式」が執り行われ、先の東日本大震災から8年を経て、福島県による復興事業はここに完成しました。
各種表彰の足取り
2018年3月に竣工致しました『福島県営復興公営住宅磐崎団地(いわきCLT復興公営住宅)』が、2018年11月28日に木材利用推進中央協議会より平成30年度木材利用優良施設コンクールにおいて、「優秀作品」と認められ表彰されました。
2018年12月6日には、「木」に関する優れた製品や取り組みなどを表彰する「ウッドデザイン賞2018」「ソーシャルデザイン部門(ウッドデザイン賞運営事務局)」並びに「優秀賞(林野庁長官賞)」に選ばれました。
さらに、2019年6月22日に日本木材青壮年団体連合会より木材活用コンクールにおいて、優秀と認められ「木材活用賞」として表彰されました。
2020年2月10日には、NPO法人team Timberizeより”都市木材の未来・可能性を見せてくれる建築”という観点から「T-1グランプリ」を頂戴致しました。
CLTは夢の素材として注目
今、この「CLT」という木質パネル建材が日本の建築業界を変える新素材として注目されています。
CLTは、『森林資源の有効活用や環境に優しい都市づくり』など多くの面で期待されており、「夢の素材」ともいわれています。CLTは、Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)の略称で、ひき板を並べた層をクロスに重なるように板を貼り合わせた、木の塊のような分厚い素材です。
すでにヨーロッパでは戸建建築や集合住宅だけでなく、大規模な商業施設にも用いられていますが、日本の建築規準ではこれまで建物の資材として認められていなかったため、一般的な普及には至っていませんでした。
しかし2016年3月31日及び4月1日にはCLTを用いた一般的な設計法等に関して建築基準法に基づく公示が公布・施行されました。
これにより利用・活用が推奨され日本の風景も変わっていくかもしれません。
かつて日本の高層木造建築の技術は、世界最高峰を誇っていました。今後、CLTがさらに進化し高層建築物へも取り入れられるようになれば、「高層の木造ビル」が登場する可能性もあり、弊社としても、期待しております。
オリンピックの盛大な開催を祈念
このように、大震災から時を経て、力強く復興に向かっておりますが、世の中は「新型コロナウイルス感染症」の拡大にも戦々恐々としているような状況です。
しかしながら、先の大震災も力強く乗り切ったように、偉大なる人間の力を信じて、今回の危機も乗り切り、さらに逞しい足取りを歩むことを期待し、震災10年目の決意を新たにしたいと存じます。
オリンピックも盛大に開催されることを祈り、この2020年も皆さまにとって、幸多い年となることをお祈りしております。
ISO推進室長 与田 裕
2020年3月11日