特許取得(藻場ブロック設置方法)
2008年8月25日
平成20年4月25日に、「藻場造成用ブロックの設置方法」として、特許原簿に登録されました。
沿岸の植物群落のうち、岩礁に分布するものが藻場です。
藻場には様々な種類があり、海域の地形・水深・波浪条件・基質の違いにより、いろいろな海藻が生育します。
藻場には、豊かな生物相を維持する上での重要性も注目されてます。
環境への配慮としても、海藻の保護を通じた地球環境の保全、自然景観上も重要な事項として、鋭意取組んでまいりました。
藻場の役割沿岸の藻場にはいろいろな役割があります。
水産上重要であることが古くから認識されていましたが、最近では、豊かな生物相を維持する上での重要性も注目されています。
藻場造成工法従来、藻場造成は海藻の付着しそうな場所に石やブロックなどの付着基質を投入する方法が多く行われてきました。
山木工業では、海藻の分布する条件を海象のシミュレーション技術を応用して明らかにします。
場合によっては海の構造物自体を藻場にすることもできるのです。
特許証です。
【発明名称】
藻場造成用ブロック
【技術分野】
本発明は、海岸近くの海中に設蹴して、海藻の繁殖を促遊する藻場造成用ブロックに関するものである。
【背景技術】
魚の繁殖に必要な海藻を入工的に繁殖させるために、コンクリートで形成された藻場造成用ブロックを海底の地盤に沈めて設置し、この表面に海藻を発生させることが行なわれている。
しかしながら従来の藻場造成用ブロックは海底に沈めて設置してあるため、砂の移動によりその表面が覆われて海藻が消滅してしまう問題があつた。
また従来の藻揚造成用ブロックは太陽光線が届く海面から4~5mの海底の地盤に平面的に並べて設置されているので、その設置揚所が限定される問題があった。
またブロック表面に海藻の着生を促進するために鉄を主材とする金属により基質面を形成し、これを型枠として、ここにコンクリートを流し込んで一体化した藻場造成用ブロックや、貝殻を主成分としてセメントで固めて表面に凹凸を形成した藻場造成用ブロックも開発されているが、何れも海底の地盤に沈めて設置されているので、その表面が次第に砂で覆われて海藻が消滅してしまう間題があった。
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題を改善し、海底の砂に埋まった場合にも、脚部を伸ばすことにより常に砂から露出した状態に保持することができると共に、海底の深い場所にも設置できる、魚礁としても有効な藻場造成用ブロックを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
本発明の藻場造成用ブロックは、コンクリートブロックの表面こ、凹凸部を形成し、コンクリートブロックの上面から底面に向かって貫通する3本以上の鞘パイプを、その上部がブロック上面から突出するように貫通させ、この鞘パイプの内側にパイプで形成された脚部を上下動自在に貫通させ、鞘パイプの上部側に脚固定部を設けて、ここにブロック底面から所定の長さに突出した状態で脚部を固定するように形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
本発明の藻場造成用ブロックによれば、海底の地盤に設置した藻場造成用ブロックの側面が砂に埋まり始めた時に、藻場造成用ブロックの脚部を下方に伸ばして砂層より高く調整して、藻場造成用ブロックを砂の上に露出させておけるので海藻の繁殖を維持することができる。
また脚部の伸出作業も、藻場造成用ブロックをクレーンで海面に引き上げてできるので、作業も短時間で完了することができる。
また脚部を長く伸ばせぱ水深の深い場所にも、藻場造成用ブロックを海面から4~5m程度に位置させることができるので、従来設置が不可能であった水深の深い場所にも設置して、栽培面積を拡大することができる。
2008年8月25日